新規就農者が抱える問題

2015年12月27日日曜日

新規就農者が抱える問題

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これまで農家を始めるといえば、実家が農家で後継者として経営を引き継ぐということが多く、親子間で営農に必要な資源、技術、ノウハウ等を長期間にわたり伝達していくということが多かったのですが、図-1に示すように、近年、非農家出身で新たに経営を始めたり、離農農家の経営を引き継いで営農を始める新規参入者の数が増加している傾向にあります。



図-1 新規就農者数の雇用形態別推移





図-2 近年の新規参入者数の推移


農家出身者の就農との違い


新規参入者は、農家出身者が親元で就農するのと違い、さまざまな課題に直面します。金銭的な課題には以下のようなものが考えられます。

1. 農地・機械等を調達しなければならない
 農地取得の制約、制度上の困難、機械等の高額な初期投資、住居の用意

2. 地域の信用をゼロから構築しなければならない
 就農地で営農するために必要な信用を得るための費用、地域社会へ参入する費用

3. 就農後に教育を受ける機会が少ない
 関係機関や先輩農家での研修・技術習得にかかる費用

4. 生活条件の確保
 一定水準の農業所得が確保できるようになるまでの生活費等を確保しなければならない


新規参入者と農家出身者の教育時間の違い


さらに新規参入者にとって問題となるのは、就農するまでにかけられる時間です。農家出身者が親等から時間をかけて長期間で技術の習得や地域社会の信頼を得るのに対し、新規参入者は極めて短時間の間にこれらを確保しなければなりません。つまり、新規参入者にとって重要なのは、農家出身者の就農における親子間に当たるものが必要で、就農の準備段階でその関係を先輩農家と構築しておく必要があります。

就農後に抱える問題とはどんなものがあるのか?


図-3には新規就農者が就農後に抱える問題を経営面と生活面からの視点でアンケートを取った統計が示されています。
経営面で圧倒的に割合が高い回答は「所得が少ない」で約6割を占めており、その原因となっていると考えられる「技術の未熟さ」、「設備投資資金の不足」、「運転資金の不足」、「労働力の不足」等が次いで高いことから、新規参入者にとって一から営農を開始するということがいかに難しいかということを物語っています。
生活面に関する問題を見ますと、回答の多い「思うように休暇がとれない」、「健康上の不安(労働がきつい)」という問題は、経営面での「労働力の不足」、「栽培計画・作業計画がすすまない」といった問題と関連していると考えられます。

図-3 新規就農者が就農後に抱える問題と課題






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