ケイ酸とは?
ケイ酸は必須元素ではなく、有用元素に分類される元素です。元素記号はSiで表示されます。一般的な野菜では要求量が1%未満とほとんど必要とされていないが、稲にとっては含有量10~20%を占める重要な元素です。かつてケイ酸は用水や鋤きこんだ稲わらから補給されていましたが、昨今は用水の成分の変化、圃場からの稲わらの持ち出しにより自然補給が難しくなっているそうです。
ケイ酸の働きは?
ケイ酸の役割は葉の表面にケイ化細胞を形成することです。
根から吸収されたケイ酸は葉の細胞の表面に蓄積されます。
葉の表層で形成されたケイ酸化細胞が稲の物理的にも生理的にも生育向上に大きく役立ちます。
①葉の受光姿勢の改善
ケイ酸化細胞により葉が直立し日光を浴びる姿勢がよくなり光合成を活発に行います。
②表面蒸散の抑制による光合成能力の持続
ケイ化細胞が葉の表面からの水分の蒸散を防ぐことで気温の高くなる午後でも光合成を持続することができます。葉は水分が少なくなると気孔を閉じ、結果二酸化炭素を取り込むことができず、光合成を停止します。この現象は午睡とよばれますが、ケイ化細胞は水分の蒸散を防ぐことで午睡を防ぎます。
③イモチ病や害虫に強くなる
ケイ化細胞が葉の表面からの細菌の侵入や害虫による食害を防いでくれます。