トラクターのカタログに「ラジアルタイヤ装備」という文面を見かけるようになりました。近年はラジアルタイヤのメリットが取り上げられていますが、まだバイアスタイヤを履いているトラクタが多く存在しています。この記事では、バイアスタイヤとラジアルタイヤの特徴を解説します。
バイアスタイヤとは
バイアスタイヤは斜めに張られたコード線が何層にもなって重なって構成されています。その構造により、タイヤのトレッド部分(接地面)とサイドウォール(タイヤの横腹)が単一の構成となります。サイドウォールが強固になるため、圃場にある切り株や石などのダメージによるパンクに強いという特性があります。この耐久性のために長らくトラクタータイヤに採用されてきました。
ラジアルタイヤとは
ラジアルタイヤはコード線が進行方向から見て横方向に張られており、横から見ると放射線状(ラジアル)に巻かれています。また、トレッド部にはベルトが補強材として編まれいます。(右図の赤と青の部分がベルト帯)バイアスタイヤと対照的にトレッドとサイドウォールが別々の構成要素となっているのが特徴です。
この構造により、サイドウォールに伝わる荷重がトレッドに直接伝わらないという特徴を持っています。
まとめると、バイアスタイヤはトレッドとサイドウォールが単一の構成要素となっており、サイドウォールの変形はトレッドの変形に連動する、ラジアルタイヤはトレッドとサイドウォールが別々の構成要素となっており、サイドウォールにかかる力が直接トレッドにかからない、ということになります。この構造の違いが、バイアスタイヤとラジアルタイヤ、各々が持つメリットとデメリットを生じさせます。
別のページではそれぞれの特徴を解説しています。