では、どこで農業研修生の募集を探すべきなのでしょうか。
地方自治体などの新規就農者支援事業を通して研修先を探す
コネがあったり意気投合した農家さんをみつけたりしたりで、受け入れ先が見つかることもあると思いますが、国の就農者支援制度を利用すべきです。あなたが実際に研修生活を送ることになったら、そこが農村だったとしても最低限の生活費が必要になってきます。ですが、農家の所得が年々減っているというニュースからもわかるように農家の経営は大変厳しく研修生に賃金は払えないというのが実際の状況です。研修外の時間にどこかに働きに出るというのも研修に集中できませんし、厳しい農作業の後にさらに仕事をするというのは現実的ではありません。国や地方自治体が用意している支援制度には研修を受ける人に対し助成金を支払ってくれるものがあります。経済的に不自由することのないよう、こういった支援制度を絶対に利用すべきです。
農家で農業研修を受けるメリット
農家で研修を受けると会社での仕事とは違うので戸惑うことが多いのですが、農業そして農家という職業がわかってきます。
農家の生活は作物に合わせた生活
農家は作物とともに生活するという感じです。
晴雨耕読というようなまったりとしたライフスタイルではありません。
収穫になったら雨の中でも収穫をしますし、虫の防除や苗の植え付けなど早く済ませなければならない作業は日が暮れても行います。冬季に豪雪のため作業のできない東北などの地域は夏の労働時間は夜明け前から夜の8時ぐらいまでというところもあります。一方で収穫を終えたら仕事がほとんどない時期もあったりします。就農後の生活リズムのイメージが湧いてきます。
目から鱗の現場で役に立つ技術がみにつく
作物の育て方を学びに研修に行くわけですが、農業技術以外にも役に立つことを覚えられます。
ロープの縛り方や畑や悪路での車の動かし方、ホームセンターで揃えられる材料を使った簡単な作業機の作り方など都会にいると覚える機会のないことも身についてきます。こういうことは本などには書いていませんが、実際に作業をするのに知っておいたほうがいい技術です。
地域によって異なる農業の常識
農業は地域によって特色があるとかよく言われますが実際にそうです。
ある地域では田植えは4月下旬に行われるが、別の地域では5月の半ばに行うといった具合に地域によって異なります。これはほんの一例で家庭菜園の本には苗を植えた後すぐに肥料を上げると書かれていても、農家さんによってはそれが全く通用しないことなんてこともしばしばあります。農家に研修に行くということは地域性に根付いた農法を学べる利点があります。
私の知人には、いくかの農家を渡り歩いて就農しようと計画している人がいます。
急がばまわれという言葉もありますが、さまざまな技術を学ぶということも全然ありだと思います。