植物は基本的に根っこで土から成長に必要な栄養を吸収します。田植え前の水田に肥料を撒く作業、いわゆる基肥え散布は水田全体に肥料を撒く全面散布とよばれる方式であり、水稲の根が栄養を吸収できない領域にも肥料を撒いていたという欠点がありました。
吸収されなかった肥料は水田の外に溶出してしまいます。
側条施肥機はこの全面散布の欠点も解決できました。
図に示す通り、肥料が落下する箇所が水稲の根域に近いところになるよう調整されています。
優れものの側条施肥機ですが、どのような肥料でも使えるわけではありません。基本的に側条施肥機に使える肥料は粒状の肥料ということになります。
側条施肥機に適さない肥料を使うと、様々な不具合が生じます。
詳しくはこちらの記事を参照してください。
田植えした後の稲は水田の土に根を据え(活着)、そこから土の栄養を吸い始めます。概して、側条施肥機用の肥料は稲が栄養を欲しがる時期に合わせて調整されています。これを肥料の肥行パターンと呼ばれます。肥行パターンが合う合わないは、その土地の気候や稲の品種等に左右されます。昨今では飼料用米に合わせた穂肥用の窒素が多く配合されたものもあり、実に多種多様な肥料が存在します。用途に合わせて地域の普及センター・肥料屋さんに相談して使う肥料は決めましょう。